I 公開日

絶景広がる稜線を歩く、日本百名山の大菩薩嶺

奥秩父山塊に位置し、大菩薩連嶺の主脈を構成する山、大菩薩嶺。日本百名山にも数えられる2000m級ですが、1600mの上日川峠までバスで行けるアクセスの良さ、また稜線からの絶景など、初心者にも大変人気のある山です。

奥秩父山塊に位置し、大菩薩連嶺の主脈を構成する山、大菩薩嶺。日本百名山にも数えられる2000m級ですが、1600mの上日川峠までバスで行けるアクセスの良さ、また稜線からの絶景など、初心者にも大変人気のある山です。

上日川峠へのバスがシーズンオフとなる直前に、上日川峠→大菩薩嶺→石丸峠→上日川峠の周回ルートを歩いた記録です。

ルート

上日川峠バス停→福ちゃん荘→大菩薩嶺→妙見ノ頭→賽の河原→親不知ノ頭→大菩薩峠→介山荘→熊沢山→石丸峠→小屋平バス停→上日川峠バス停

距離:8.5km

コースタイム:5時間30分

危険な箇所

危険な箇所は特になく初心者でも安心ですが、このルートでは唐松尾根を登ります。

短い区間ではありますが途中から急登があったり道もガレていたりします。浮石もありますので、足元をしっかり確認しながら歩きましょう。雷岩から大菩薩峠までもガレ場があります。

また介山荘から熊沢山での区間は登山道やや歩きにくくなっています。ピンクリボンがいくつもありますので、しっかり確認しましょう。

未経験者で山が初めてという方についてはそうしたポイントで注意が必要にはなるものの、どの山でも注意すべきごく一般的な点に過ぎませんから怖がる必要もありません。

甲斐大和駅→上日川峠バス停

JR中央線の甲斐大和駅前から登山口のある上日川峠までバスが出ていますので、それを利用します。

甲斐大和駅は急行や特急が止まらない駅ですから、たとえば新宿駅からあずさに乗った場合は大月駅で乗り換える必要があります。

甲斐大和駅から上日川峠バス停までのバス乗車時間は40分ほど。かなり混みますが臨時バスも出ます。運賃は1020円(2023年現在)、支払いは「現金のみ」です。パスモやスイカは利用できません。必ず現金を持参しましょう。

上日川峠バス停→福ちゃん荘

上日川峠バス停を降りると、ロッヂ長兵衛が。

ロッジ長兵衛の右側、登山口を進んでいきます。

道は非常に歩きやすく、散歩気分で歩けます。

15分ほどで福ちゃん荘に到着します。ここのテント場は400円と激安。

福ちゃん荘の前は広くなっていますが、奥に案内図があります。

右にいけば介山荘方面に進んで大菩薩峠から稜線を歩いて頂上に向かうルート、直進気味に唐松尾根から雷岩までまっすぐ登るルートがあります。今回は唐松尾根から登ります。

福ちゃん荘→唐松尾根で雷岩へ

登り始めはまだまだ道も歩きやすくなっています。

唐松尾根は振り返れば富士山が見えるので、標高を上げていくと景色に見とれる人が続出します。

登れば登るほど景色も良くなり、

大菩薩湖と富士山の素晴らしい光景が広がってきます。

ただし、雷岩まであと少しというあたりでは道がガレてきます。

雷岩直下ではこのようになっていますが、

こうした道を15分ほど歩くことになります。

そして雷岩へ。

多くの登山者が、岩に登って景色を楽しんでいます。

雷岩→大菩薩嶺

雷岩から大菩薩嶺山頂までは樹林帯の中を歩いて10分少々。

この時期は霜柱も見られました。

そして大菩薩嶺山頂(2,057m)です。

ご覧の通り、全く眺望はありません。

雷岩から山頂をスルーする登山者も多いほどで、非常に残念な山頂ではあります。

大菩薩嶺→妙見ノ頭、賽の河原

雷岩に戻り、妙見ノ頭へ向かいます。

山頂と違って、この稜線からの景色は大変美しくまさに絶景です。

雷岩から1分ほどで広いエリアがあり、ここで昼食を取る登山者がたくさんいます。

こんな絶景を見ながらのランチは最高ですね。

途中、標高2000m地点の標柱があります。

現在は甲州市に含まれてしまった今はなき塩山市の文字を見ることができます。

この稜線、絶景ではありますが足元はガレています。

景色を見ながら歩いていると思わぬケガをすることがあります。景色を見るときは必ず立ち止まって見るようにしましょう。

このように手を使った方が良い場所もあります。

登山道を歩いていくと小さなケルンがあります。左に入り急登を上がります。

妙見ノ頭が見えてきました。

小さな小ピークですが、これまでの富士山側しか見えない稜線と違い、反対の奥秩父の山々まで見通すことができます。

かすかに燧ケ岳、そして飛龍山、雲取山、鷹ノ巣山などが見えています。

妙見ノ頭から降りてくると、すぐ石が積まれた広い場所に出ます。

賽の河原です。

ここは旧大菩薩峠、今の大菩薩峠は明治時代に認定されたもので、江戸時代からの青梅街道の重要な峠かつ難所として知られた旧峠がここです。

賽の河原には避難小屋があります。

賽の河原避難小屋から介山荘までは20分ほどの距離です。

ただしご覧の通りの稜線ですし、風の通り道でもあるということで真冬に吹雪いたりすると隠れる場所がありません。

そうした事情から避難小屋が設置されているのでしょう。

賽の河原→親不知ノ頭

賽の河原から少し登り返しがあります。

登りきると左に曲がっていくのですが、この角になる所が親不知ノ頭です。

親不知ノ頭からの眺めも素晴らしく、多くの人が休憩しています。

親不知ノ頭→大菩薩峠

親不知ノ頭から大菩薩峠までは3-4分の短い距離ですが、岩場を降りることになります。

ここも浮石が多くありますので足元に気をつけましょう。

降りきったところが大菩薩峠、見えている建物は介山荘です。

振り返るとこんな感じです。

大菩薩峠→熊沢山

介山荘からは元の上日川峠への道があります。

こちらが主要なルートになっていますが、大菩薩嶺から大菩薩峠は人気のルートでもありたくさんの登山者がいます。

静かにこの稜線を楽しみたいなら、少し足を延ばして石丸峠から降りるのがお勧め。

そこで介山荘を通り過ぎ、まず熊沢山を目指します。

ここから樹林帯に入りますが、これまでの歩きやすい登山道とは少々趣が異なります。

やや分かりにくいところもありますが、ピンクリボンが各所にあり、迷うことはないでしょう。

なお、介山荘以降は下山まで数人の登山者とすれ違っただけで、非常に静かな山域でした。

ここから石丸峠まで標高を下げていきます。

熊沢山→石丸峠

熊沢山から石丸峠を見下ろすこの稜線は、人も少なく見晴らしは良く、開放感あふれる景観となっています。

石丸峠からはぐっと下っていきます。

石丸峠→小屋平バス停

石丸峠からは富士山を眺めながらの下山がスタートします。

登山道はよく整備されており、歩きやすくなっています。

降りていくと林道にぶつかります。

上日川峠の方向に向かいます。

ごくわずかな距離ですが、林道を歩きます。

すぐ標識が出てきます。これを降りていきます。

進んでいくと、

舗装されたバス通りにぶつかります。

小屋平バス停の目の前に出ます。

小屋平バス停→上日川峠

このまま舗装路を歩いても上日川峠にはたどり着けるのですが、遠回りですし楽しくもないでしょうから標識通りバス通りを横切って直進します。

すぐベンチが出てきます。

ベンチの先には沢があり、ちょっとした渡渉になります。

バスまでに時間があったので、ここで休憩しました。

樹林帯の中を進みます。

ちょっとした橋も出てきます。

こんな小さな沢を越え、

踏み跡をたどれば、すぐ上日川峠です。